2017年12月7日木曜日

骨粗鬆症の薬でカルシウムが減るの?


骨粗鬆症の薬の副作用に『低カルシウム血症』があります。
骨を強くする薬なのになんでカルシウムが低くなるのか?と疑問に思われるかもしれません。

骨粗鬆症は骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。

骨は絶えず古い骨から新しい骨に生まれ変わる新陳代謝をして、コツコツ作り変えられています。
新しい骨を作る細胞を骨芽細胞、古い骨を壊す細胞を破骨細胞といいます。
骨芽細胞は食べ物などから吸収されたカルシウムをもとに骨を作ります。
破骨細胞は古い骨を壊してカルシウムを血液中に供給しています。




骨粗鬆症の骨では骨を壊す破骨細胞が、骨を作る骨芽細胞より一生懸命働いてしまっているため、骨が壊されすぎている状態なのです。

骨粗鬆症の治療薬の多くはこの破骨細胞の働き過ぎを抑え、骨が壊されるのを防いでいます。

通常、血液中のカルシウムの量は減れば骨を壊して補っており、常に一定になるようにコントロールされています。
骨粗鬆症の薬を飲んでいると破骨細胞が働きにくい状態なので、骨からカルシウムを補いにくくなっています。
そのため『低カルシウム血症』になってしまう可能性があるのです。


骨粗鬆症の薬を飲む場合、低カルシウム血症を予防するために血液中のカルシウムを増やす働きのあるビタミンDを薬で補ったり、カルシウムの薬(デノタスチュアブル錠)などを処方されたりすることがあります。


低カルシウム血症の症状は以下のとおりです。
骨粗鬆症の薬を飲んでいる方でこれらの症状やいつもと違う症状を感じたときは薬剤師や医師にご相談ください。

  • 手足のふるえ
  • 筋肉の脱力感
  • けいれん
  • しびれ