2017年7月4日火曜日

ウイントマイロン販売中止 


ウイントマイロン錠250・500・シロップ 5%が販売中止となるようです。
https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2017/1706stop_win1_etc2.pdf

経過措置期間満了は2018年3月末日を予定しているようです。


ウイントマイロンの成分であるナリジクス酸はスターリング・ウインスロップ研究所(現:サノフィ社)で 1948 年に合成され、1962 年にグラム陰性菌に効力を持つ抗菌剤として開発されました。日本で製造承認されたのは1964年で、それから50年余り日本の微生物と戦い続けてきました。

ナリジクス酸はオールドキノロンに分類される抗菌薬です。キノロンの歴史はナリジクス酸から始まったといっても過言ではありません。クラビットなどのニューキノロンはすべてナリジクス酸がベースなっています。

出典:Folia Pharmacol. Jpn.130,287~293(2007)


ナリジクス酸は主として緑膿菌を除く腸内細菌のグラム陰性菌に対して抗菌活性を示します。しかし代謝されやすく、バイオアベイラビリティや組織移行性が低かったことから腸管感染症や尿路感染症治療薬として使用されていました。しかし現在では耐性菌が多くなりすぎてほとんど使われていません。

役目を終えたため販売中止といったところでしょうか。


ウイントマイロンの代替品


代替品は標的菌種にもよりますが
腸管、尿路感染でナリジクス酸を使うということは
プロテウス菌や大腸菌、肺炎桿菌をターゲットとして考えます。

そうすると、経口ではセファクロルが候補となります。
急性単純性膀胱炎の場合ではキノロン系が候補となります。

どうしてもオールドキノロンが良い場合は
ナリジクス酸の7 位にピペラジニル基を導入することによりナリジクス酸の欠点でる代謝安定性や組織移行性を改良し,緑膿菌に対する抗菌活性を高めたピペミド酸があります。