2017年7月3日月曜日

パルモディア錠(ペマフィブラート) 新しいタイプのフィブラート系薬剤


脂質異常症のうち、主にトリグリセリド(中性脂肪)が高い場合に使用される薬剤としてフィブラート系の薬剤があります。

2017年7月新たなフィブラート系薬剤としてパルモディア錠 0.1mg(一般名:ペマフィブラート)が承認されました。
薬価収載予定は8月です。
薬価に関して厚労省と折り合いがつかず、8月収載は見送りのようです。
11月収載に間に合うように調整中らしいです。


フィブラート系薬剤の作用機序


まず、フィブラート系薬剤の作用機序について解説します。
フィブラート系薬剤は核内受容体のPPARαに結合し脂質代謝に関わる反応を促進します。
例えば、肝臓での脂肪酸のβ酸化を促し、トリグリセリドの合成を抑えたり、リポプロテインリパーゼを活性化させ血中トリグリセリドの分解を促進させたりします。



パルモディア錠はPPARα の標的遺伝子の発現を選択的に調節する


パルモディア錠 は、核内受容体の PPARα に結合後、リガンド特異的な PPARα の立体構造変化をもたらし、主に肝臓の脂質代謝に関わる遺伝子群の発現を選択的に調節することで脂質代謝を改善すると考えられています。

「肝臓の脂質代謝に関わる遺伝子群の発現を選択的に調節する」という点が他のフィブラート系と違うので、他のPPARアゴニストと区別するために選択的 PPARα モジュレーター(Selective Peroxisome Proliferator-activated receptor-α modulator)SPPARMα、スパームアルファと呼ぶそうです。

脂質代謝に関わるところだけ調節するので、他のフィブラートで見られるような肝機能検査値異常(AST,ALT上昇)、腎機能検査値異常(クレアチニン上昇)や血中ホモシステイン増加などの副作用が起こりにくいというのが特徴です。


パルモディアの腎機能低下者への投与


中等度以上の腎機能障害のある患者(目安として血清クレアチニン値が 2.5mg/dL 以上)には横紋筋融解症があらわれることがあるため投与禁忌となっています。これは承認時点で副作用報告はないが、他のフィブラート系薬剤を参考に設定されたそうです。

軽度の腎機能障害のある患者(目安として血清クレアチニン値が 1.5mg/dL 以上2.5mg/dL未満)には慎重投与可能です。


パルモディアの肝機能低下者への投与


重篤な肝障害、Child-Pugh 分類 B 又は C の肝硬変のある患者あるいは胆道閉塞のある患
者には投与禁忌です。臨床試験において肝硬変 Child-Pugh 分類 B の患者に投与した際に血中濃度が著しく上昇し、Cmaxで約 3.9 倍、AUC で約 4.2 倍を示したため、禁忌設定されています。
またパルモディアは胆汁排泄型薬物なので、胆道閉塞のある患者には投与しないよう設定されています。

軽度の肝機能障害のある患者又は肝障害の既往歴のある患者には慎重投与可能です。


パルモディアの食事の影響

健康成人男性に本剤を空腹時及び食後に単回投与したときのペマフィブラートの血漿中濃度推移
出典:インタビューフォーム

食事による影響は軽微です。
を空腹時投与では投与約 1.50 時間後、食後投与では投与 1.75 時間後に最高値に達しました。食事摂取により血漿中濃度の上昇は緩やかとなり最高濃度到達時間の遅延傾向が認められました。


パルモディアの相互作用


パルモディアは、主にCYP2C8、CYP2C9、CYP3A により代謝されます。また、OATP1B1、OATP1B3 の基質となるためこれらの代謝酵素やトランスポーターと関連する薬剤では相互作用に注意が必要です。

海外の臨床試験においてシクロスポリン、リファンピシンをそれぞれ併用した場合パルモディアノ血中濃度が10倍以上、上昇したとの報告があるため併用禁忌となっています。

また、他のフィブラート系薬剤において、腎機能障害を有する患者にスタチンを併用した症例で、横紋筋融解症が報告されていることから、スタチンとの併用は原則禁忌に設定されています。


パルモディア錠は分割可能


パルモディア錠には割線があります。
分割後の製剤は 25℃/83%RH、無包装の保存条件にて 4 ヵ月間安定でした。


ペマフィブラートの構造上の特徴


ペマフィブラートは他のPPARαアゴニストと同様に酸性領域を含んでいます。
一方で、PPARαの活性および選択性を高めるために、独特のベンゾオキサゾールおよびフェノキシアルキル側鎖が付加されているのが特徴です。


ペマフィブラートのPPARサブタイプにおける転写活性の選択性


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パルモディア錠 0.1mg

[効能・効果]
高脂血症(家族性を含む)
[用法及び用量]
通常、成人にはペマフィブラートとして 1 回 0.1mg を 1 日 2 回朝夕に経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、最大用量は 1 回 0.2mg を 1 日 2 回までとする。