基礎的医薬品とは


収載から時間がかなり経過し、薬価も下がりすぎて採算が取れず市場撤退が考えられるもので、薬価を維持することで下支えされている医薬品群です。
基礎的医薬品として薬価が維持されている間は継続的な安定供給がメーカーには求められることとなります。

平成28年度の診療報酬改訂において基礎的医薬品は、
「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等から除外されました。
そのため、広義の後発医薬品であり基礎的医薬品に該当するものへの変更調剤への是非が不明でしたが、疑義解釈通知でその取扱が明らかになっています。


【後発医薬品への変更調剤】
(問)処方せんにおいて変更不可とされていない処方薬については、後発医薬品への変更調剤は認められているが、基礎的医薬品への変更調剤は行うことができるか。



(答)基礎的医薬品であって、平成28年3月31日まで変更調剤が認められていたもの (「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等)については、従来と同様に変更調剤を行うことができる。 なお、その際にも「処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更につい て」(平成24年3月5日付け保医発0305第12号)に引き続き留意すること。


基礎的薬品制定の経緯


「経済財政運営と改革の基本方針2015」(2015年6月30日閣議決定)において、臨床上の必要性が高く将来にわたり継続的に製造販売されることが求められる基礎的な医薬品の安定供給に向けた必要な措置を検討するように示されました。

これを受け、2016年度薬価制度改革においては試行的取組みとして、現行の不採算品再算定、最低薬価になる前の薬価の下支えする制度と位置づけ、基礎的医薬品に該当する医薬品の薬価を最も販売額が大きい銘柄に価格を集約してその薬価を維持するルールが導入されました。

この基礎的医薬品は、
①薬価収載から25年以上経過し、かつ成分全体及び銘柄の乖離率が全ての既収載品の平均乖離率以下、
②一般的なガイドラインに記載され、広く医療機関で使用されている等、汎用性のあるもの、
③過去の不採算品再算定品目、並びに古くから医療の基盤となっている病原生物に対する医薬品及び医療用麻薬の要件の全てを満たす医薬品
を対象としています。

なお、基礎的医薬品の制度によらず十分な収益性が見込まれる品目は対象外とされています。


2016年度薬価制度改革における基礎的医薬品対象品一覧

厚生労働省ホームページ 「平成28年度診療報酬改定について」の中で掲載


2016年度薬価基準改定における「基礎的医薬品」の薬価算定の基準について
薬価算定の基準について(保発0210第1号、2016年2月10日)
第4節 低薬価品等の特例
2 薬価上の措置が必要な既収載品の特例
(1)基礎的医薬品
 薬価改定の際、次の全ての要件に該当する既収載品(十分な収益性が見込まれるものを除く。)については、薬価改定前の薬価(当該既収載品と組成、剤形区分及び規格が同一である類似薬がある場合には、薬価改定前の薬価を基に計算した年間販売額が最も大きい銘柄の薬価改定前の薬価)を当該既収載品の薬価とする。
 ただし、当該既収載品と組成、剤形区分が同一である類似薬があり、汎用規格の当該類似薬がニの要件を満たさない場合については、別表9に定める算式により算定される額を当該類似薬の薬価とする。この場合において、別表9中「低薬価品群、準低薬価品群又はその他の後発品群」とあるのは、「基礎的医薬品と組成、剤形区分及び規格が同一である基礎的医薬品に該当しない類似薬群」と読み替えるものとする。
イ 医療上の位置付けが確立し、広く臨床現場で使用されていることが明らかであること
ロ 当該既収載品並びに組成及び剤形区分が同一である全ての類似薬のうち、薬価収載の日から25年を経過しているものがあること
ハ 当該既収載品と組成及び剤形区分が同一である類似薬がある場合には、当該既収載品を含む類似薬の平均乖離率が、全ての既収載品の平均乖離率を超えないこと
ニ 当該既収載品の市場実勢価格の薬価に対する乖離率が、全ての既収載品の平均乖離率を超えないこと


参考:
バクシダール錠やケフラールカプセルから後発医薬品へ変更調剤できなくなった?(平成28年診療報酬改定)

平成28年度診療報酬改定説明会(平成28年3月4日開催)資料等について 平成28年度診療報酬改定説明(薬価)

経済財政運営と改革の基本方針2015 ~経済再生なくして財政健全化なし~(2015年6月30日)

基礎的医薬品について[中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第110回) 議事次第(2015年11月4日)]