デパスとアモバンが向精神薬に指定されるようです(2016年10月14日から)


2016年10月13日デパス(エチゾラム)、アモバン(ゾピクロン)の投与上限について
官報告示ありました。

2016年10月14日から向精神薬となりますが、
2016年10月14日から10月31日までは『投与制限除外』として扱い

2016年11月1日に
投与制限除外』が解除され
30日分』を限度とするようです。

官報告示
http://kanpou.npb.go.jp/20161013/20161013h06877/pdf/20161013h068770003.pdf

詳細を別ページにまとめました↓

関連:
向精神薬の投与期間の上限について

【2016年10月13日追記】


2016年9月28日の中医協総会でエチゾラム(デパス)、ゾピクロン(アモバン)の投与制限について議論され、診療報酬上の投薬期間の上限を30日とすることを決めました。

現場が混乱しないように
エチゾラム及びゾピクロンの投薬期間の実態や関係者からの要望等を踏まえ、 これらの向精神薬に係る診療報酬上の投薬期間の上限については 30 日に決められたようです。 


投与上限に関するお知らせ(田辺三菱)





【2016.9.28追記】


2016年9月14日
エチゾラム(デパス)、ゾピクロン(アモバン)を向精神薬に指定する政令が官報告示され公布されました。

施行日は30日経過後の10月14日から。

施行日からエチゾラム(デパス)、ゾピクロン(アモバン)は向精神薬扱いとなります。
第3種向精神薬。

ゾピクロンの光学異性体エスゾピクロン(ルネスタ)は指定されなかったみたいです。

麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令の一部を改正する政令(官報)

麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令(官報)
https://kanpou.npb.go.jp/20160914/20160914h06859/20160914h068590003f.html


投与上限については、
今後、療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の改正が通知され、明らかになると思います。
【2016.9.14追記】


2016年9月9日の定例閣議におきまして、「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令の一部を改正する政令」が決定されたようです。

今後は厚生労働大臣および総理大臣が署名を行い、天皇によって公布され、官報に掲載されることで効力を持ちます。
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2016/kakugi-2016090901.html


また、総務省ホームページに政令改正案の事前評価書がアップされていました。
(2016年9月確認)

http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/ria/28/dl/ria28_07_19_01-1.pdf

【2016.9.12追記】


麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令の一部を改正する政令」(案)及び「麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令」(案)が2016年7月19日に公開されました。
(パブリックコメントが2016年8月18日まで募集されていました)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160131&Mode=0

麻薬及び向精神薬取締法は、麻薬及び向精神薬の輸出、輸入、製造、譲渡等を規制しています。
具体的な規制対象物質については、麻薬及び向精神薬取締法により定められています。


今回の改正案ではデパス(エチゾラム)やアモバン(ゾピクロン)を含む3物質について、向精神薬として指定するため指定政令を改正することになりました。


改正省令は平成28年9月公布され、公布の日から 30 日を経過した日となる平成28年10月ごろ施行予定です。


麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令
(平成二年八月一日政令第二百三十八号)

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H02/H02SE238.html


向精神薬の規制を受けていなかったため、デパスは内科や耳鼻科などの向精神薬に詳しくない医師が軽い気持ちで処方しています。規制がないという安心感があるのでしょう。
そのため、日本で圧倒的に売れている抗不安薬になりました。

向精神薬の指定がどのような影響を及ぼすでしょうか。

デパスとアモバンが向精神薬に指定されるとどうなるか?


投与上限が設けられます


向精神薬はその薬剤ごとに1回14日分、30日分又は90日分を限度とする投薬期間の上限が設けられています。
今までデパスやアモバンは1回あたり処方できる数に上限はありませんでしたが、10月から投与期間の上限が設けられることになります。

30日の処方制限となりました。

投与期間の上限に注意したい医薬品 向精神薬(薬局指導管理.com)
https://yakkyokushidoukansa.blogspot.jp/2015/08/touyokikan2704.html


個人輸入ができなくなります


「麻薬及び向精神薬取締法」の規定により、医療用の麻薬又は向精神薬を、医師から処方された本人が携帯して入国する場合を除いて、一般の個人が輸入することは禁止されており、違反した場合には処罰されます。 (本人が携帯せずに、他の人に持ち込んでもらったり、国際郵便等によって海外から取り寄せることはできません。)


医薬品の個人輸入について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/0104/tp0401-1.html


「麻薬及び向精神薬取締法」では成分(化学名)として指定されます。
したがいまして、デパスと同一成分のエチラーム(etilaam-1)、エチゾラ(etizola)、エチゼスト(etizest)なども対象です。
また、アモバンと同一成分のゾピコン(zopicom)なども対象です。

ザナックスxanax(アルプラゾラム)やativan(ロラゼパム)は既に向精神薬の指定を受けており個人輸入はできません。



海外旅行への携帯が制限されます


省令で定められている向精神薬については、本邦から出国又は本邦に入国する際に、省令で定める分量の範囲内で、自己の疾病の治療の目的で携帯して輸出入することができると規定されています。
携帯する剤形や量により手続きが異なります。
今般、新たに向精神薬に指定することに伴って、携帯して輸出入できる数量が決められました。

  • ゾピクロン(アモバン) 300mg
  • エチゾラム(デパス) 90mg


フルニトラゼパム(サイレース)をアメリカに持ち込むと捕まります。(YG研究会)
https://yakuza-14.blogspot.jp/2014/04/blog-post_23.html


医療機関では保管方法が変わります


向精神薬は、次により保管しなければなりません。
① 病院・診療所の施設内に保管すること。
② 保管する場所は、医療従事者が実地に盗難の防止に必要な注意をしている場合以外は、かぎをかけた設備内で行うこと。
〔例〕
a) 調剤室や薬品倉庫に保管する場合で、夜間、休日で保管場所を注意する者がいない場合は、その出入口にかぎをかけること。日中、医療従事者が必要な注意をしている場合以外は、出入口にかぎをかけること。
b) ロッカーや引き出しに入れて保管する場合も、夜間、休日で必要な注意をする者がいない場合には、同様に、ロッカーや引き出しあるいはその部屋の出入口のいずれかにかぎをかけること。
c) 病棟の看護師詰め所に保管する場合で、常時、看護師等が必要な注意をしている場合以外は、向精神薬を保管するロッカーや引き出しに鍵をかけること。


譲受譲渡が制限されます


処方された薬を、他人に受け渡す行為は薦められるものではありませんが、友人が眠れないからと自身のデパスを1錠分けてあげるなどということをやったことがあるかもしれません。

デパスやアモバンを許可無く譲り渡すと法律に違反することとなります。



なぜ、抗不安薬や睡眠薬であるデパスやアモバンがいままで向精神薬の指定を受けていなかったのか


この答えは、向精神薬取締法ができた歴史にあります。


1990年、『麻薬取締法』が『麻薬及び向精神薬取締法』になったとき、向精神薬の定義がなされました。

この定義を作成するために参考にしたのがアメリカFDAが策定した『規制物質法』です。
旧厚生省は参考というか、丸写しただけなので、そのころアメリカで発売されていなかったデパスやアモバンは向精神薬の指定を免れました。

理由はこれだけです。

デパスより弱い活性のリーゼは向精神薬扱いにもかかわらず、デパスが向精神薬の乱用・蔓延を防ぐための法律から除外されていたのは明らかな矛盾だったのです。