2016年2月10日水曜日

平成28年診療報酬改定 湿布薬、1回70枚までに制限と処方せんの書き方


1回70枚を超えて湿布薬を処方する場合には、原則として処方せん料、処方料、調剤料、調剤技術基本料及び薬剤料を算定できなくなりました。

※対象は診療報酬点数表第5部 投薬(F000~500)です。調剤点数には関係しません。


政府の規制改革会議などで、患者が必要以上の枚数をもらって使い切れずに残る無駄が問題視されてきたためです。


1回で70枚を超えて処方される患者は月に延べ30万人ほど。国費ベースで年間数十億円の医療費削減につながるとされています。


しかし、遠隔地からの通院や貼付箇所が多いなどの理由で70枚を超えることがあるかもしれません。


そのような場合、医学上の必要性があると医師が判断すれば、その理由を処方せん及び診療報酬明細書に記載することで算定可能となります。

・院内処方の場合
診療報酬明細書の「摘要」に理由の記載を行います。

・院外処方の場合
処方せん「備考」欄と診療報酬明細書の「摘要」欄の両方に記載を行います。

70枚を超えて湿布薬を投与した理由例:事故の影響による全身打撲が顕著で1回に数枚を要することから必要と判断した。


薬剤師としては、

70枚を超える湿布薬の処方せんを見たら、「理由」の記載を確認し、記載がなければ疑義照会をしなければならないでしょう。









湿布薬の処方せんやレセプトの書き方が変わります。


湿布薬の処方時は、処方せん及び診療報酬明細書に、投薬全量のほか、一日分の用量又は何日分に相当するかを記載しなければなりません。


記載例:

Rp.1)セルタッチパップ70 56枚

1回2枚  1日2回  14日分 腰部に貼付

投薬全量、一日分の用量又は何日分に相当するかの他に使用時点、使用部位、使用に際しての留意事項など記載がされているのが理想的です。






 処方制限の対象となる湿布薬は、貼付剤のうち、薬効分類上の鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤。
(ただし、もっぱら皮膚疾患に用いるものは除外)
用法が違うものであっても、これらの該当する湿布薬であれば、ひとまとめにして数え、「1処方、70枚まで」の制限対象になります。



【2016.3.31追記:疑義解釈その1より】

(問)湿布薬については、1処方につき70枚の制限となっているが、 「70枚」の判断は、湿布薬の種類ごとに70枚ではなく、処方された湿布薬全体の合計枚数が70枚という理解でよいか。


→そのとおり



※1処方につき70枚の制限であり、1月につき70枚の制限ではありません。