α1遮断薬とザルティアを併用してもよいのか


α1遮断薬(タムスロシン)とPDE5阻害薬(ザルティア)の併用は添付文書上では併用注意とされています。

併用によりこれらの血管拡張作用による降圧作用を増強するおそれがある。


ザルティアが発売されてから、よく見かける処方ですがエビデンスはどうなのでしょうか。


PDE5阻害薬単独療法と比較して少ないですが、PDE5阻害薬とα1遮断薬の併用療法に関してはいくつかのエビデンスがあります。


タダラフィル5mg/日+タムスロシン0.4mg/日併用療法の小規模RCTの結果では、IPSS蓄尿症状スコアが併用療法において有意な改善が認められたと報告されています。

Regadas RP et al.,Urodynamic effects of the combination of tamsulosin and daily tadalafil in men with lower urinary tract symptoms secondary to benign prostatic hyperplasia: a randomized, placebo-controlled clinical trial.Int Urol Nephrol. 2013 Feb;45(1):39-43. doi: 10.1007/s11255-012-0317-7. Epub 2012 Oct 30.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23108604



日本でも、シロドシン+タダラフィル10mg/隔日投与により、IPSS蓄尿症状スコア、OABSSの改善が認められたとの報告があります。

辻村 晃,他,タダラフィルのLUTS への影響,泌尿器外科2011;24:385-390

PDE5阻害薬単独とα1遮断薬との併用の比較に関して、最新のシステマティックレビュー・メタアナリシスが報告されています。7つの論文で合計515例のデータを解析した結果、International Index of Erectile Function(IIEF)、蓄尿症状を含むIPSS、Qmaxのいずれの改善においても併用のほうが良かったとしています。しかし、個々の論文での症例数は多くありません。

Yan H,et al., The efficacy of PDE5 inhibitors alone or in combination with alpha-blockers for the treatment of erectile dysfunction and lower urinary tract symptoms due to benign prostatic hyperplasia: a systematic review and meta-analysis.J Sex Med. 2014 Jun;11(6):1539-45. doi: 10.1111/jsm.12499. Epub 2014 Mar 13.


タダラフィル5mg/日単独の連日投与と比較して、α1遮断薬とPDE5阻害薬の併用療法は大規模RCTがほとんどありません。薬剤の組み合わせも様々です。したがってエビデンスは不足していると言えます。


また、α1遮断薬のサブタイプ選択制により程度は異なると考えられますが、タダラフィルの併用により血圧低下を増強する可能性に留意すべきです。

Kloner RA,et al.,Interaction between the phosphodiesterase 5 inhibitor, tadalafil and 2 alpha-blockers, doxazosin and tamsulosin in healthy normotensive men.J Urol. 2004 Nov;172(5 Pt 1):1935-40.