エクアとメトホルミンの配合剤 エクメット配合錠LD/HD

エクメット配合錠は、DPP-4阻害薬であるビルダグリプチン(エクア錠)とビグアナイド系薬剤であるメトホルミン塩酸塩との配合剤です。

エクアは、グルコースなどの栄養素の摂取に伴い消化管から血中に分泌されるインクレチンの分解酵素であるDPP-4 を阻害することにより、内因性イングレチンの濃度を高めることで血糖依存性にインスリン分泌を促進させ血糖降下作用を示します。

さらに、グルカゴンの分泌を抑制し血糖降下作用を示します。

一方、メトホルミン塩酸塩は、肝の糖産生及び消化管からの糖吸収を抑制し、末梢組織のインスリン感受性及びグルコース消費を増加させインスリン抵抗性を改善することによって血糖降下作用を示します。


このように、エクメット配合剤は異なる作用機序を有する成分を含んでいます。

エクメット配合剤を用いることでインスリン分泌不全とインスリン抵抗性の両要因を改善することが可能となります。


また、エクアとメトホルミン塩酸塩併用時には両剤が相加的に血中 GLP-1 濃度を上げる作用があると考えられ、これらの薬剤での併用療法は各薬剤の単独療法を上回る血糖降下作用が期待できます。

エクアの GLP-1 を介したインスリン分泌促進作用は血糖依存性であることと、メトホルミン塩酸塩の血糖改善効果はインスリン分泌促進を介さないことから、これら薬剤の併用は低血糖の発現リスクが低い組合せと考えられます。

なお、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の配合剤は、2015年6月現在、120の国と地域で承認されているワールドスタンダードな薬剤です。



配合剤による患者さんのメリット


2型糖尿病患者の薬物療法では、アドヒアランスの向上が血糖コントロール改善の要因の一つとなることが報告されています。
Schernthaner G,Fixed-dose combination therapies in the management of hyperglycaemia in Type 2 diabetes: an opportunity to improve adherence and patient care. Diabet Med, 2010; 27(7): 739-43

Guillausseau PJ,Influence of oral antidiabetic drugs compliance on metabolic control in type 2 diabetes. A survey in general practice. Diabetes Metab, 2003; 29(1): 79-81

アドヒアランスを低下させる要因としては、単独療法から併用療法に移行する際の薬剤の種類と錠数の増加及び投与回数の増加が挙げられます。
Thayer S, et al.,Adherence to a fixed-dose combination of rosiglitazone/glimepiride in subjects switching from monotherapy or dual therapy with a thiazolidinedione and/or a sulfonylurea. Ann Pharmacother, 2010; 44(5): 791-9

Dailey G, et al.,Patient compliance and persistence with antihyperglycemic drug regimens: evaluation of a medicaid patient population with type 2 diabetes mellitus. Clin Ther, 2001; 23(8): 1311-20

Hutchins V, et al.,A systematic review of adherence, treatment satisfaction and costs, in fixed-dose combination regimens in type 2 diabetes. Curr Med Res Opin,2011; 27(6): 1157-68


エクメット配合剤の使用により、薬剤の種類及び錠数の増加を回避することができます。

治療効果とアドヒアランスを併用療法と配合剤との間で比較したメタアナリシスでは、併用療法の患者よりも配合剤治療の患者で HbA1c は低く、また、前治療の内容(単独療法又は併用療法)に関わらず併用療法の患者よりも配合剤治療の患者でアドヒアランスは有意に高かったという結果でした。
Han S, et al.,Glycemic effectiveness and medication adherence with fixed-dose combination or coadministered dual therapy of antihyperglycemic regimens: a meta-analysis. Curr Med Res Opin, 2012; 28(6): 969-77

また、DPP-4阻害薬とメトホルミンの配合剤治療を受けている患者の方が、それぞれの単剤で併用療法を受けている患者よりも血糖コントロールが良好で、治療満足度が高いという調査報告もあります。
Benford M, et al.,Fixed-dose combination antidiabetic therapy: real-world factors associated with prescribing choices and relationship with patient satisfaction and compliance. Adv Ther, 2012; 29(1): 26-40



オルメテックとエクメット配合錠の一包化

オルメテックとメトホルミンを一包化すると変色することが知られています。

メーカーの営業の方からの情報によると、エクメットと配合錠とオルメテックは一包化しても色調変化はみられないと回答を得ました。

理由はよくわからないですが、エクアを配合することで色調変化を防げるようになったとか。
(本当かどうかは発売されて実際試してみたいと思います)




エクメット配合錠

[効能・効果]
2 型糖尿病
ただし、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。

[用法・用量] 
通常、成人には 1 回 1 錠(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩として 50mg/250 mg 又は 50 mg/500 mg)を 1 日 2 回朝、夕に経口投与する。