βブロッカー投与中の患者さん 注意すること


従来高血圧治療の第一選択薬の一つとして位置付けられていたβブロッカーでしたが、2014年改訂された高血圧治療ガイドライン2014では、主として心疾患合併高血圧に対して選択すべき薬剤とされ、第一選択薬からは除外されてしまいました。


除外された理由は、近年の臨床試験でβブロッカーを使うと糖尿病になりやすくなる作用があることが分かり、さらに臓器障害や心血管病の抑制効果が他の薬に比べて劣るというデータが明らかになったためです。

Elliott WJ, et al,.Incident diabetes in clinical trials of antihypertensive drugs: a network meta-analysis. Lancet. 2007 ; 369(9557):201-207. 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17240286

Opie LH,.Beta-blockade should not be among several choices for initial therapy of hypertension. J hypertens.2008;26(2):161-163.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18192824

しかし、βブロッカーは高血圧治療の第一選択薬を除外されてしまいましたが、今でも多くの患者さんに使用されています。


それは、高血圧治療の目的が、単に血圧を下げることだけとは限らないからです。


頻脈性心房細動による動悸や息切れがQOLを低下させたり、心不全を誘発する場合や安定労作性狭心症があって冠動脈インターベンションが行えない場合などにβブロッカーはとても有用な薬剤なのです。


高血圧に加えて心不全、頻脈、狭心症の合併や、心筋梗塞後であれば、βブロッカーが積極的に使用すべき薬剤となります。


βブロッカーを開始する際には、副作用を見落とさない慎重さが求められます。


少量から導入されているかチェックします。


特に糖尿病、異型狭心症、気管支喘息、徐脈が疑われるときは十分な注意が必要です。


こと徐脈に関しては、自覚症状がないとしても安静時の心拍数が1分間に50回を下回るようであれば、服用中止と他の降圧薬への変更を提案します。


徐脈の自覚症状には、めまいや目の前が暗くなるなどがあります。


患者さんとの話の中で、どことなくだるくて元気がない、ぼやっとするなどのとらえどころのない訴えがある場合も要注意です。