なぜ、肝臓が悪いとかゆくなる?



胆汁は肝細胞でつくられ、胆道系を通って十二指腸に排泄されます。肝炎、肝硬変、閉塞性黄疸などではしばしばこの経路のどこかで胆汁の流れが阻害されることがあります。

この状態を状態を胆汁うっ滞といいます。

胆汁うっ滞では胆汁の成分が肝臓内や胆管内に停滞し、さらには血液中に漏れ出します。

胆汁うっ滞の患者さんに、全身のかゆみを訴える方が多くいらっしゃいます。


では、胆汁うっ滞の重症度とかゆみの強さの度合いは相関するのでしょうか。

答えはNOです。

相関しません。

そのほか、かゆみの強さは、皮膚や血清胆汁酸のレベルとも相関しません。


肝臓が悪い患者さんで見られるかゆみの特徴


一般的によく使われる痒み止めである抗ヒスタミン薬が効かないということがあります。

かゆい部分を見ても、皮膚が膨らんでいたり、赤くなっていたりすることはありません。

かゆい部分をいくら掻いても、その感覚はなくなりません。

掻いているときは気持ちよさも若干あるのですが、掻くのをやめると、痛みが襲ってきます。


慢性肝疾患患者さんのかゆみのメカニズム


原発性胆汁性肝硬変の患者さんにオピオイド受容体拮抗薬のナロキソンを投与すると痒みが抑制されることが知られています。

このことから、慢性肝疾患患者さんのかゆみにはオピオイドμ受容体の活性化が関与しているといわれています。


オピオイド受容体にはμ(ミュー)とκ(カッパー)の2種類が存在しています。

  μ受容体が活性化するとかゆみが誘発されます。

  κ受容体が活性化するとかゆみが抑制されます。


通常では、どちらの受容体も均衡を保っているのですが、かゆみの発言時にはμ受容体の活性が有意になっています。





そこで、かゆみを抑えるにはどうしたらよいでしょうか。


κ受容体を活性化させ、再びμとκの受容体の均衡を元に戻すことができれば、かゆみは治まります。


κ受容体を刺激して活性化させる薬がナルフラフィン(ノピコール、レミッチ)です。





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