にきび治療薬 過酸化ベンゾイル(ベピオゲル2.5%)




にきび(尋常性ざ瘡)の原因は

皮脂が多く出ること、
男性ホルモンの影響、
毛穴の入り口(毛包漏斗部)の角化異常、
アクネ菌の増殖

などがあります。



過酸化ベンゾイルは、
にきび、特に炎症を伴う赤ニキビ、の原因となるアクネ菌に対して抗菌作用を持っています。


米国皮膚科学会の尋常性ざ瘡治療ガイドラインや
欧州皮膚科学会の尋常性ざ瘡治療ガイドラインに
にきびに対する塗り薬として掲載されています。

米国皮膚科学会の尋常性ざ瘡治療ガイドライン
J Am Acad Dermatol. 2007 Apr;56(4):651-63. Epub 2007 Feb 5.
http://www.jaad.org/article/S0190-9622(06)02346-2/pdf

欧州皮膚科学会の尋常性ざ瘡治療ガイドライン
J Eur Acad Dermatol Venereol 26: 1-29, 2012
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1468-3083.2011.04374.x/pdf



2015年1月時点では過酸化ベンゾイルの塗り薬は40以上の国で承認されています。


米国皮膚科学会のガイドラインでは、にきびに対して塗り薬を使うことがスタンダードな治療とされています。

過酸化ベンゾイルは、レチノイド外用剤や外用抗菌剤とともに質の高いエビデンスがあるとされています。

さらに、推奨レベルA(質の高いエビデンスによる一致した裏付けあり)とされ、にきびに対する治療効果が証明された薬剤として認められています。

過酸化ベンゾイルは、抗菌剤とは異なる殺菌作用をもっています。

そのため、抗菌剤が効かなくなったアクネ菌の除菌や耐性菌を増やさないことを目的として、抗菌剤の塗り薬との併用が推奨されています。


欧州皮膚科学会のガイドラインでは、軽症から中等症の炎症性皮疹に対しては、過酸化ベンゾイルとアダパレンとの配合剤や過酸化ベンゾイルとクリンダマイシン外用剤との配合剤が最も推奨されています。

次に過酸化ベンゾイル、アゼライン酸又はレチノイド外用剤の単剤治療か、アダパレンと内服抗菌剤の併用治療が推奨されています。

非炎症性皮疹(黒ニキビや白ニキビ)に対しては、過酸化ベンゾイルはアダパレンに次に推奨されています。

このように、過酸化ベンゾイルは、欧米でもにきびの治療薬として承認され、スタンダードな治療薬として位置付けられています。



日本でにきびに使用できる薬は欧米に比べて少ないです。

過酸化ベンゾイルが承認される前は炎症性皮疹の治療といえば、アダパレン(ディフィリンゲル)、抗菌剤の塗り薬又は内服抗菌剤の使用に限定されていました。

アダパレンは、「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人」に対しては禁忌とされ、使用することができません。

また、皮膚の乾燥、皮膚不快感、皮膚が剥がれたり等の副作用が多く報告されています。

抗菌剤を長期間使用すると抗菌剤が効かない、薬剤耐性菌が出現すると問題視されています。

耐性菌発生の抑制の観点からも過酸化ベンゾイルの承認が望まれています。

K Nakase, et al(2012)First report of high levels of clindamycin-resistant Propionibacterium acnes carrying erm(X) in Japanese patients with acne vulgaris.J Dermatol 39: 794-796
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1346-8138.2011.01423.x/pdf




過酸化ベンゾイルの作用機序

過酸化ベンゾイルがアクネ菌に対しどのような機序で抗菌作用を示しているかはよくわかっていません。

一説によると、過酸化ベンゾイルが分解して安息香酸という物質になる過程で生じる酸化ベンゾイルラジカルやフェニルラジカルがアクネ菌の細胞壁や細胞膜、そしてDNAを破壊することで抗菌的に作用していると考えられています。

過酸化ベンゾイルには抗菌作用の他に、毛穴の入り口の角層を除去する作用があると考えられています。




安全性

臨床試験での有害事象の多くは、薬剤に塗った部分にかゆみや、炎症が生じるなどの軽度なものでした。

必要に応じて休薬等をすることにより回復しました。

しかし、アメリカにおいて米国食品医薬品局は、過酸化ベンゾイル又はサリチル酸を含む一部の
一般用のにきび治療薬に対して、重篤な過敏性反応に関する注意喚起を発出したことがあります。

この原因が有効成分の過酸化ベンゾイルやサリチル酸、基剤成分又は有効成分及び基剤成分の組み合わせのいずれによるものであるかは特定されていません。

FDA warns of rare but serious hypersensitivity reactions with certain over-the-counter topical acne products Drug Safety Communication

http://www.fda.gov/downloads/Drugs/DrugSafety/UCM402663.pdf
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm400923.htm



ベピオゲル2.5%

[効能・効果]  尋常性ざ瘡

[用法・用量]1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。


2015年4月上市予定

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