解毒剤 ホメピゾール静注1.5g




ホメピゾール静注1.5gは
エチレングリコール中毒やメタノール中毒に対する解毒剤です。


日本では
エチレングリコールは保冷剤や自動車のラジエター液に利用されています。
メタノールはアルコールランプや自動車のウインドウォッシャー液に利用されています。

エチレングリコールやメタノール中毒に関して、
日本中毒情報センターには年間平均25件程度相談が寄せられています。

中には、誤飲や自殺企図等による摂取例も報告されています。

財団法人 日本中毒情報センター編:財団法人 日本中毒情報センター 医師向け中毒情報 エチレングリコール(O18800), 2008, Ver.2.03 
http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf
財団法人 日本中毒情報センター編:財団法人 日本中毒情報センター 医師向け中毒情報 メチルアルコール(O15400), 2008, Ver.2.02
http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf


エチレングリコール中毒
エチレングリコールはそれ自体の毒性は低いです。
しかし、からだの中に取り込まれると
アルコール脱水素酵素やアルデヒド脱水素酵素により
グリコール酸、シュウ酸そしてギ酸がつくられます。
これら、毒性代謝物により代謝性アシドーシス、急性腎不全が引き起こされます。


メタノール中毒
メタノールはそれ自体の毒性は低いです。
しかし、からだの中に取り込まれると
アルコール脱水素酵素やアルデヒド脱水素酵素により
ホルムアルデヒドやギ酸がつくられます。
これら、毒性代謝物により代謝性アシドーシス、中枢神経障害、失明することがあります。


エチレングリコール中毒、メタノール中毒ともに、重篤な場合は死に至ることもあります。


ホメピゾールの作用機序
ホメピゾールには肝臓のアルコール脱水素酵素のはたらきを邪魔する作用があります。
エチレングリコールやメタノールが血液中にある状態で、
ホメピゾールを投与することで、エチレングリコールやメタノールから
グリコール酸やギ酸等の毒性代謝物がつくられないようにします。

エチレングリコールやメタノールはそのまま、おしっこの中に排泄され
毒性代謝物による中毒症状の発生を抑えることが期待されます。


注意するポイントは、作用機序からも分かる通り
この薬は、あくまでもエチレングリコールやメタノールっからの毒性代謝物が
作られるのを抑えるものであり、
エチレングリコールやメタノール自体の毒性や、既につくられてしまっている
毒性代謝物による中毒症状を軽減する効果はありません。


つまり、エチレングリコールやメタノールを摂取して
できるだけ早く、投与する必要があります。


海外ではスタンダードな解毒剤
2014年の時点で、エチレングリコール中毒、メタノール中毒の治療薬として
アメリカやカナダで承認されています。
ヨーロッパの11カ国ではエチレングリコール中毒の治療薬として承認されています。

米国臨床中毒学会(American Academy of Clinical Toxicology)

エチレングリコール中毒について
Barceloux DG, Krenzelok EO, Olson K, Watson W (1999) American Academy of Clinical Toxicology practice guidelines on the treatment of ethylene glycol poisoning. J Toxicol Clin Toxicol 37:537–560

ホメピゾールとエタノールの使い分けは、
褒めピゾールが使用できない場合、あるいはホメピゾールに過敏症がある場合には
エタノールが選択されます。
上記以外、基本的にエタノールよりホメピゾールが選択されます。

ホメピゾールとエタノールの有効性を直接比較した臨床試験はありません。
ホメピゾールはエタノールに比べ、血中濃度が予測可能なためモニタリングが不要です。
安全性プロファイル、投与方法が標準化されている点や
集中治療や透析の治療を抑えられる点から経済性についても優れています。



メタノール中毒について
Barceloux DG et al,(2002)American Academy of Clinical Toxicology practice guidelines on the treatment of methanol poisoning.J Toxicol Clin Toxicol.;40(4):415-46.

ホメピゾールがエタノールより優れることを確認した臨床試験はありません。
ホメピゾールはエタノールと比べて高価ではありますが
投与方法が簡便で集中治療下でなくても投与することができること、
効果が持続すること、
中枢神経を抑制しないこと、
エタノールのような血中濃度モニタリングが不要であること
など、多くの点で優れています。




WHO Model List of Essential Medicines, 18th ed (April2013)

WHO Model List of Essential Medicines for Children, 4th ed (April2013)

WHO必須医薬品モデル・リストにホメピゾールは掲載されています。




【用法用量】
通常、ホメピゾールとして初回は15mg/kg、
2回目から5回目は10mg/kg、
6回目以降は15mg/kgを、
12時間ごとに30分間以上かけて点滴静注する。

なお、血液透析を併用する場合は、別に定める投与スケジュールに従い投与する。

[透析開始時]
直前の本剤投与から6時間未満の場合は、透析直前には投与しない。
直前の本剤投与から6時間異常経過している場合は、透析直前に投与する。

[透析中]
直前の本剤投与から1時間未満の場合は、透析終了時には投与しない。
直前の本剤投与から1時間異常3時間以内の場合は、通常用量の1/2量を透析終了直後に投与する。
超然の本剤投与から3時間超経過している場合は、透析終了直後に投与する。

[透析終了後]
直前の本剤投与から12時間ごとに投与する。






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