2014年7月2日水曜日

高齢者の病気と薬


老年症候群

歳を取るにつれて、心身の機能が衰えてきます。
そのことで現れてくる身体的精神的症状や疾患を総称して
老年症候群といいます。

老年症候群の特徴は、
高齢者特有の様々な原因や症状が
連鎖的に関連して悪循環を引き起こすことです。

例えば、
骨粗鬆症で骨折すると、寝たきりになります。
そうすると食欲低下し低栄養状態になります。
筋肉が低下し、動けなくなります。
動かないので食欲が落ちます・・・という具合に悪循環がおきます。

老年症候群の主な症状は、
認知症、せん妄、不眠、尿漏れ、筋力低下、腰痛、膝関節痛、食欲不振などです。

これらの症状に対し多くの薬が処方されています。

高齢者への処方の定番といえば
睡眠薬、抗不安薬、過活動膀胱治療薬、胃薬、湿布などです。

しかし、老年症候群は薬で悪化したり表在化するする場合があるので
注意が必要です。






生活習慣病
高齢者は長年積み重ねてきた生活習慣の蓄積によって、
高コレステロール血症、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症など
いわゆる生活習慣病の合併頻度は高くなっています。

高齢者に処方される薬のほとんどが
生活習慣病治療薬と言っても過言ではありません。

例えばCA拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、スタチンは
非常によく見る処方です。

また、狭心症や心房細動など冠動脈疾患、脳血管疾患予備軍では
抗血小板薬が標準治療になっています。

抗血小板薬が処方されている高齢者も非常に多いです。




病気の数が増えると薬が増える
薬が増えると副作用も増える
高齢者では飲んでいる薬の数が1日7種類以上というのは珍しくありません。

注意が必要なのは、複数の医療機関を受診している場合です。

もらった薬がダブってたということはよくあります。

また、A病院の薬とB病院の薬の飲み合わせが悪く、副作用が出たりすることもあります。

高齢者は特にお薬手帳の活用が薦められるます。

飲み合わせの悪い薬はないか、
腎障害、緑内障などの病気の人が飲んではいけない薬がないかなどの
薬剤師によるチェックが不可欠です。